会長挨拶

会長挨拶

(一社)日本リモートセンシング学会
会長 林田 佐智子

この度、令和2年度定時総会および理事会の決定を受け、日本リモートセンシング学会の会長に就任致しました。大変光栄なことであると謹んで受け止めております。またその一方で、会長の重責に堪えられるのかどうかと、不安な気持ちもございますが、幸いなことにご経験の豊かな副会長や理事・事務局の皆様に囲まれて、大変心強く感じております。

今年はCovid-19感染拡大防止のため、春期の学術講演会が中止となり、総会もオンラインでの開催となりました。何もかもが異例づくめであり、今後の学会運営についても、オンライン会議やwebを使った講演会の開催など、これまでとは違った新しい方式を模索しなければなりません。特に、学会の主たる活動である学術講演会を実施し、日本におけるリモートセンシング分野の学術的発展を推進することは本学会の使命であり、決しておろそかにできません。しかし、参加者の安全を確保しつつ、効率的に実りある学術講演会を実施するにあたっては、様々な困難を克服しながら、未知の方式を開拓していかねばならないでしょう。これは決して容易なことではなく、是非とも会員の皆様のお力をお貸しいただきますようお願い致します。

その一方で、これからの新しい社会様式において、非接触での環境調査等、リモートセンシングの役割はますます重要になると考えられます。常々申し上げておることですが、現代のリモートセンシング技術は、「そこに何があるかだけでなく、人々がそこで何をしているか」までを見せてくれます。Covid-19感染拡大後、世界中の大きな都市が次々とロックダウンされましたが、人間活動の停止に伴い、大気汚染が急激に改善されたことが衛星からつぶさに観測され、大きなニュースとなりました。Covid-19と共に生きてゆきながら、経済活動の活性化と環境改善をどのように両立させるかを考えるとき、リモートセンシング技術は必要不可欠な手段となるでしょう。これから迎える新しい生活様式の中で、日本リモートセンシング学会がその学術的知見をもって、如何に社会に貢献できるかが、今問われています。我々は覚悟を持って、その社会的責任を果たして行かねばなりません。

また、現在は、すべての分野においてほとんどの国際交流が停止状態となっています。残念ながらISRS2020は開催中止となりました。次回は、本学会が中心となって、2021年に島根県松江市で開催することを予定していましたが、一年間の延長を関係者で申し合わせたところです。今後、感染症の拡大状況を注視しながらの難しい判断を迫られることになりますが、国際交流の絆を絶やさないよう、全力をあげて対応して参りたいと思います。

来年、日本リモートセンシング学会は創立40周年を迎えます。粟屋前々会長、岩崎前会長のご尽力によって、本学会が将来どうあるべきかについて、未来部会を中心に検討がなされ、3つの柱が示されました。第一に「日本リモートセンシング学会の価値創造」、第二に「しなやかな学会の運営」、第三に「若手の活躍の場の創出」です。特に第三の柱は40周年の節目に特に力を入れなければならないと考えます。

私が日本リモートセンシング学会誌に、初めて、博士論文の内容をとりまとめたレビュー論文を掲載していただいたのは、1986年6巻2号でした。その号をある大学の図書館で新着雑誌の開架書棚の上に見つけた時は、本当に誇らしくうれしく感じたものです。それから34年の時を経て、これまでの研究者人生において自分がいかにこの学会に支えられ、育てられたかに思いを馳せております。微力ながら、少しでも恩返しができればと思います。これからの2年間、どうぞよろしくお願い致します。