サンプル 使命

学会の使命

近年、陸地、海洋、大気空間において、人間活動を起因とした環境の破壊が、地球規模で進んでおります。大気空間において温室効果ガスの増加やオゾン層の減少などが緊急課題となっており、さらに陸地においては、世界の多くの地域において過度の焼畑農業のための大規模な熱帯林破壊、燃料の採取のための樹木伐採、家畜の過剰放牧や農地の過剰耕作によって、森林や灌木、草地の荒廃と衰退が起きています。このような環境変化を引き起こす大きな要因の一つとして人間活動があり、急激な人口増加がそれに拍車をかけています。地球規模の環境変化は人類の生存にとって深刻であり、早急にそれらのモニタリングの手法を確立する必要があります。

p4_2このような環境変化を調べるためには、多くの観測データの収集とその解析が必要です。観測の広域性、同時性、反復性に優れたリモートセンシング技術には多くの期待が寄せられています。

わが国でも米国や欧州の宇宙機関と競い合うように、次世代の地球観測衛星AEDOS-11(2002年)、ALOS(2003年)の打ち上げが予定されております。また1999年末に打ち上げられた米国の地球観測衛星TERRAには日本の可視近赤外センサ(ASTER)も搭載され、各国と共同で地球環境の観測が進んでおります。

これらの衛星による地球観測のシナリオ策定に際して、当学会の多くの会員が参加し、それらの衛星が観測すべきいくつかの項目を提供すると共に、研究プログラムの策定にたずさわっております。

リモートセンシングによる地球観測は地球上の多くの生物と我々人類の子孫のため、そして地球のさらなる未来に重要な使命を与えられています。「青く美しい惑星」を永遠に守るためには、日本リモートセンシング学会会員の研究が寄与することでしょう。

《主な地球環境問題》
1. 大気汚染 ←工業化の進展や自動車の普及
2. 水質汚染・土壌汚染 ←工業廃水、廃棄物や家庭からの雑廃水
3. オゾン層破壊 ← フロンガスの排出
4. 海面上昇・凍土融解 ← 二酸化炭素等の温室効果ガスの放出など
5. 生物多様性の減退・生態系の破壊 ← 人間活動、過度の開発
6. 大規模な森林の伐採 ←自然への影響を考えない土地の開発
7. 洪水 ←上流で森林伐採により、上流の山が保水力を失う、異常気象
8. 砂漠化 ←人間活動、気候変動
9. 酸性雨 ←排煙の不十分な無害化による

(出典 地球環境キーワード事典: 地球環境研究会編)

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