コンテンツへスキップ

会長挨拶

(一社)日本リモートセンシング学会
 会長 村松 加奈子

この度,令和8年5月15日の定時総会で理事に選任され,その後の理事会にて,会長に選任されました村松加奈子です。たいへん光栄に存じますが,その重積に身が引き締まる思いです。松永恒雄前会長の後を引き継ぎリモートセンシング学会の発展に少しでも貢献したいと考えております。2年間どうぞよろしくお願いいたします。 

歴代会長の先達のもと,20年ほど前より,リモートセンシング学会の活動として,衛星データの実利用推進が行われてきました。当時は,衛星データ利用の説明会の開催やユーザ開拓のために県庁訪問などを行いましたが,利用促進がなかなか進まないという実感がありました。しかし近年は,衛星画像を手軽にインターネット上から見ることができ,衛星データの認知度が専門外の方にも高くなるとともに,リモートセンシングデータがこれまで利用されていなかった分野においても,データの利活用に興味を持たれる方が増えてきていると感じています。衛星データの解析環境も大きく変化してきました。近年のクラウドコンピューティングにおいては,高価な計算機環境やソフトウエアを各自で調達せずとも,衛星データの解析が行えるようになり,ユーザの裾野拡大には優位な時代に入ってきています。また,衛星データ等を業務として扱うベンチャー企業等により新たなイノベーションが生まれてきています。これらの新しい技術等をとりいれながらも,一方では従来からの地球環境の継続的な長期モニタリングが,気候変動下においては重要な課題となるでしょう。環境面では, 2050年カーボンニュートラルや2030年ネーチャーポジティブをめざすという国家戦略の中で,リモートセンシング技術が利活用できる場は多岐にわたり,リモートセンシング学会で得られた知見の社会への貢献への重要性を感じています。

学会活動の中で学術講演会と学会誌の発行は学会活動の根幹となすものです。コロナ禍においてはオンラインの会議が開催されており,隙間時間しかとれない場合でも学会に参加できるメリットはありましたが,対面での学術講演においては研究グループだけに閉じず新たなネットワークを築く貴重な機会となると考えています。特に学生や若手の方は研究の視点が広がり新たなアイデアの創出につながることもあるでしょう。対面で議論・意見交換・ネットワーク構築ができる場を学術講演会にて提供していきたいと考えています。また,学会誌の発行に関しては,大学・研究期間の業績評価等との関連もあり論文の投稿数が減少傾向にある点は否めませんが,リモートセンシング技術利用の裾野拡大という視点からは,学会誌の存在意義も高いと感じています。

私が,「リモートセンシング」という技術があることを知り,リモートセンシング学会に初めて参加したのは,雲仙・普賢岳の噴火活動による大災害後に1994年長崎県島原市で開催された第17回学術講演会になります。その学術講演会ではリモートセンシングの研究分野の広さと,将来への可能性を強く感じました。また,学生の会員や若手の方が活発に発表や質疑応答をされていたことも印象に残っています。それ以来30年以上リモートセンシング学会には,私のみならず,学生も学会活動を通じて鍛えられ,育てていただいたと感謝しています。学会活動を通して,会員の皆様が有意義であると感じていただけるよう,微力ながら尽力していく所存です。皆様からも意見や希望など寄せていただきたく,ご支援とご協力をよろしくお願いいたします。