コンテンツへスキップ

第60回(平成28年度春季)学術講演会 P会場における実利用セッション (U05-U07)

第60回(平成28年度春季)学術講演会

P会場における実利用セッション (U05-U07)

 

(U05)複数のSAR衛星による平成27年関東・東北豪雨の浸水状況把握
○本田謙一・藤平啓・浅田典親・虫明成生(国際航業)

平成27年9月関東・東北豪雨では茨城県常総市において鬼怒川下流の堤防が決壊し,市街地を含む約40km2が浸水した。この豪雨災害に際し,決壊直前からCOSMO-SkyMed (X band), Sentinel-1 (C band), and , ALOS-2 PALSAR-2 (L band)により繰り返し観測が行われた。これらのデータを用いて浸水範囲抽出を行い、浸水の広がりを推定した。また、観測バンドの違いによってどのような違いが生じるかを整理し,異なるSARデータを組み合わせた災害の初動対応への利活用方法を検討した.

(U06)レーザ計測点群上の樹皮テクスチャ評価に基づく樹種自動判別
○溝口知広(日本大学工学部)・石井彰・中村裕幸(株式会社woodinfo)・井上剛・高松久(有限会社マルヨシ)

地上における森林資源調査においては,各樹木の樹高,胸高直径,材積等の定期的な寸法測定に加え,樹種の判別も重要な項目の1つである.近年では,森林内部をレーザスキャナにより取得した計測点群から上述の寸法を算出することが一般的となりつつあるが,樹種判別は熟練者の経験に頼らざるを得ないのが現状である.本研究では,スギとヒノキを対象とし,樹皮のめくれに伴う樹幹表面の凹凸を曲率を利用して定量評価し,これを特徴量として機械学習に利用することで樹種判別を行う2つの手法を考案し,その有効性を検証した.

(U07)現地写真の深層学習による建物被災度判別の試み
○石井友・松岡昌志(東工大)・牧紀男(京大)・堀江啓(インターリスク総研)・田中聡(常葉大)・中村良介(産総研)

地震後の建物被災度認定は被災者の生活再建や都市の復興に必要な情報である。しかし,広域災害においては被災度認定の作業には時間と労力がかかる。そこで,機械学習を利用して,建物被災度認定を自動化することができれば,作業の効率化が可能である。本論文ではとくに深層学習に注目し,兵庫県南部地震での建物写真を深層学習で学習させ,全壊とその他の2クラスに分類した。その結果,約70%の精度が得られた。