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宇宙考古学研究会 Research Group for Space Archaeology

宇宙考古学研究会

宇宙考古学研究会古代エジプト遺跡の分野横断型調査(ルクソール神殿)

  • 設立の目的
    近年、地球温暖化等の環境変動が懸念されています。地球上では過去に大小様々な環境変動が繰り返され、それが今日までの世界の都市や文明の興亡に深く影響してきたと考えられますが、地球環境をより正確に理解するには過去の環境変動やそれに伴う人間活動への影響を含めた長期的視点での研究が重要です。そうした背景のなかで、世界各地に分布する古代都市や遺跡を対象に、地球観測衛星によって観測された近年の地表情報や環境変動を歴史考古学的知見、地図、地形データ等を通して理解し、未知遺跡の発見や遺跡が建造された当時の古環境解明をめざしたリモートセンシングの新たな応用研究を「宇宙考古学(Space Archaeology)」といいます。

    宇宙考古学研究会は、2014年6月に設立された日本リモートセンシング学会の新たな研究会です。日本における宇宙考古学は、1988年に開催された「宇宙考古学について」と題する研究セミナーにおいて、本研究会会長の坂田俊文東海大名誉教授らが古代研究における衛星データの有効性と可能性について発表したことが始まりとされています。その後、世界各国のリモートセンシングの専門家や考古学者らによる宇宙考古学研究が行われ、宇宙考古学の有効性は実証されつつありますが、その一方で、潜在的な期待はあるものの調査事例が極めて少ないことから、世界の様々な地域における調査事例の積み重ねによる方法論や技術的体系の確立が必要とされています。

    そこで本研究会では、このリモートセンシングの新たな応用分野である宇宙考古学の横断的な情報交換、国際的な研究連携、学術的提言を進め、それによって技術的体系の確立を図りながら、リモートセンシングをはじめとする空間情報技術の多方面への利用促進と問題解決への貢献を目的としています。

  • 主な活動実績および関連企画
    第57回(平成26年度秋季)学術講演会特別セッション「宇宙考古学の新たな展開」(2014年11月7日、京都大学)の開催

    NHKコズミックフロント「宇宙の目で古代に挑む」人工衛星がひらく考古学最前線(BSプレミアム:2015年3月12日放送)」の取材対応

    企画展「東海大学と宇宙考古学」(2015年1月31日~4月5日、横浜ユーラシア文化館)の開催

    産学パートナーシップ創造展における4K映像による宇宙考古学研究紹介(2016年8月25日~26日、東京ビッグサイト)

    「多衛星データの複合的活用による遺跡探査技術とその応用に関する研究」のための分野横断型調査の実施(エジプト・中国・ベトナムなど)

    ・海外機関との宇宙考古学分野における研究協力
    エジプト科学研究省リモートセンシング宇宙科学局、秦始皇兵馬俑博物館、西北大学(西安市)、連雲港市重点文物保護研究所ほか

  • 今後の取り組み
    本研究会のメンバーは、リモートセンシング、画像処理、エジプト考古学、中国考古学、中国環境史、宇宙総合研究などの多分野の技術者、研究者で構成されています。研究会では、今後の取り組みとして、特に遺跡探査や古環境調査における衛星データの可能性に関する情報交換や国際的研究連携、学術的提言を積極的に行っていく予定です。

    会 長:坂田俊文 (東海大学名誉教授)
    幹 事:惠多谷雅弘(東海大学情報技術センター)
    連絡先:ety@tokai.ac.jp